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執筆者の写真樋口千紗

【あなたは大丈夫?】いき過ぎた健康志向が及ぼす害


近年、食と健康を意識した「オーガニック野菜」「無添加食品」などが人気を集めています。


また、食だけでなく「自然派化粧品」「オーガニックコットン」など、日用品も自然派のものが増えましたね。


このような健康への意識・関心は大変素晴らしいものです。

しかし一方で、無添加や無農薬などを意識するあまり、健康を害してしまう人たちも出てきました。




その名も「オルトレキシア」という病。

オルトレキシアは、専門家の間で呼ばれている新しい「摂食障害」のこと。




無添加や無農薬、食のスタイルにこだわりすぎるあまりに引き起こされる、普通の食事に対する「強迫観念」のようなものです。

自分が体に悪いと思う食品を徹底的に排除し、自分が認めたもののみを食べるという習慣です。




この問題点は、一部の栄養素しか摂取できないことによる栄養失調を招いてしまうことです。


オルトレキシアの引き金になりやすい例として、ベジタリアン(菜食主義)に興味を持ち始めた人が、その後さらに自身の食事に課す制限厳しくし、動物由来の食べ物である卵や牛乳、蜂蜜なども排除し、厳格な菜食主義であるヴィーガン、最終的にはフルータリアン(フルーツしか食べない)という食生活になっていくことがあります。




そしてある日、肌荒れや爪の異常、月経が止まったり、大量に髪が抜けはじめたりすることをきっかけに、自身の健康状態の異変に気づくのです




健康志向がいき過ぎた結果、単なる偏食になり健康を害してしまうということ。

人よりも食に敏感で、体にいいものを取り入れているはずが、結局は自分が一番不健康になってしまうんですね。




添加物や農薬を控えることは大変素晴らしいことですが、「いき過ぎ」は何においても病に繋がるものです。

例えば、お酒も多少は体に良いとされていますが、飲みすぎはアルコール中毒の原因になりえるのも同様ですね。




また、チョコレートも少量であれば抗酸化作用があるので健康に良いとされていますが、食べ過ぎは糖質の多量摂取となります。


さらに、あの三大栄養素であるタンパク質でさえも、筋肉生成にはマストなので体作りをしている女性には必須ですが、タンパク質は消化に時間がかかるため、多量の摂取は内臓に負担をかけます。




過ぎたるは及ばざるが如し


とは、まさにこのことなのです。




「やり過ぎることはやり足りないことと同様に良いこととは言えない」 「何事も程ほどが肝心で良いと言われることでもやり過ぎは害になる」ということなのです。



そして、オルトレキシアになってしまう人々に共通するもう一つの問題は、「自分で自分のルールに苦しめられてしまう」ということ。

それが達成できなかった時には過度の罪悪感に陥る傾向にあるのです。




中には、その健康志向を他人に強制する人もいます。

例えば、家族間や友人などに同じ食事や健康志向を強いるということですね。




相手も同意しているのであれば問題ありませんが、他人をコントロールしようとする行動は問題です。

この根底にある考えは「私が正しい」「私は間違っていない」という歪んだ考えにあることです。




このような、いき過ぎた健康志向は、摂食障害や精神的な二次障害、さらには人間関係のトラブルまでも招く危険性があるのです。

健康のために始めたはずが、気づけば不健康になってしまっていた、ということにもなりかねません。




「世界でいちばん貧しい大統領」と呼ばれた、ウルグアイの元大統領であるホセ・ムヒカ氏の有名なスピーチでも


発展は幸せを阻害するものであってはならない

という言葉がありますが、これに置き換えるとすれば、「健康のために始めたことは、健康や幸せを害するものであってはならない」ということですね。



私もある程度、普段の食事は気をつけていますが、過度な制限はしません。




例えば、油はギーオイルやエクストラバージンオリーブオイル、ココナッツオイル、MCTオイルなど良質なものを使うようにしていますが、醤油やつゆなど他の調味料は若干諦めています。




普段必ず使う調味料にも添加物は入っていますが、すべてを無添加に変えるのは私にとって正直気が滅入ってしまうからです。




また、頻繁にファストフードやお菓子を食べることはありませんが、ファストフードであれば年に1回くらい、お菓子であれば週に1度くらいは食べることもあります。

なるべく避けたいこってりラーメンやカレーライスなど、高カロリーで多量の炭水化物がメイン、かつ栄養バランスの悪いと呼ばれる一品料理も、月に2回ほどは食べることがあります。




食事や健康意識に対して自分のオリジナルやこだわりを持つことは大切ですが、締めるところと緩めるところを決めておくことも、過度な偏食を防ぐために必要です。

定期的に、自身の食事を中立的・客観的な視点で振り返流ことが大切です。



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