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なぜ香港は金融と貿易で発展できたのか

執筆者の写真: 樋口千紗樋口千紗

はじめに


私は、現在World Beauty Collegeのスクール運営をしていますが、同時にコンテストや結婚式・パーティー用ドレス、少しおしゃれな普段着などを扱うインポートショップNICCHIA(ニッキア)というアパレルショップの運営もおこなっています。

なので、たまに香港まで買い付けに行くことがあるのですが、香港を選ぶ理由としては「貿易都市として栄えている」という点です。

香港はこれまで中継貿易港として発展したため、各国のアパレルが集まりやすいのです。

私が海外へ行くときには必ず、その国の文化や土地柄、特徴を知り、金融や経済にどう生きているのかを肌で感じるようにしています。

今回はこれまでの香港渡航で見えてきた香港の特性についてご紹介します。


①香港の街並みからわかる歴史


香港の街中には、トラムという路面電車が走っています。

私は、このトラムを見た時に馴染みがあるように感じました。




というのも、メルボルンにもトラムがあったからです。(私が今の主人とまだ付き合っていた頃、彼は1年間仕事でメルボルンに行っていたので、私も彼に会いにメルボルンを訪れたことがありました。)




そこで気づいたのですが、「香港」と「オーストラリア」にはある共通点があったのです。

それは、双方「イギリスの植民地」だったということ。




だから、トラムやダブルデッカー(二階建て車両)などイギリス発祥のものが街中にあるわけですね。

香港のトラムもイギリス人が設立したのだとか。




植民地時代の影響が今でも街中に感じられます。


香港が金融大国として発展した理由


「国際金融センター」「オフショア金融センター」として世界で名立たる都市のひとつである香港は、「金融の国」として経済の発展を遂げてきました。




では、なぜ香港は金融で発展できたのか?




それは「地理的位置(時差の関係)」によってアメリカ市場とヨーロッパ市場を繋ぐ役割を果たしているからです。

また、香港は「タックスヘイブン(租税回避地)」と呼ばれ、ほとんど税金を徴収しません。



例えば、


・消費税なし

・相続税なし

・キャピタルゲイン税なし

・アルコール度数30%以下の酒類に酒税なし


などを実現したのです。

(法人税などはかかりますが低税率で有名)



個人・企業を含めたビジネスの大きな目的は、「自由に経済競争ができること」「課税を逃れること」にあります。

つまり、香港がタックスヘイブンであることにより、世界中の個人や企業、金融機関を誘致し、ヒト・モノ・カネが集まるシステム作りに成功したのです。


③香港が貿易で発展できた理由


香港で発展したものは「金融」だけではありません。

実は「貿易の国」としても発展してきた歴史があります。




「100万ドルの夜景」として世界中から観光客を呼び寄せるなど、香港の観光にとっても大きな存在である港の夜景。

香港が貿易で発展できた理由には、香港がアジア諸国を繋ぐのに「良い立地(中継貿易港)」にあったことが挙げられます。


その国の経済的特徴を知りたい場合、まずその国の地理・土地柄に着目するとわかりやすいですね。

香港は天然の良港と言われています。




なぜなら、香港島周辺には十分な水深があり、波も穏やかなため安全に停泊可能な貿易港として良好な条件を備えているからなのです。

そして、ここでも「貿易の関税を徴収しない」というタックスヘイブンらしい自由経済を実現しています。




このように、香港は自国でものを作るのではなく、「お金(金融)」も「商品(貿易)」も「中継点」になることで成長してきた国なのです。




シンガポールと香港の類似性



以前、シンガポールへ買い付けに行った際も、香港と似た条件を揃えており共通点が多い事に気付きました。

シンガポールも、「アジアの中心地(貿易の中継地)にある点」「タックスヘイブンである点」で貿易都市・金融都市として国の経済を発展させてきました。




つまり、シンガポールもまた、香港と比肩するポジションだったのです。

確かに、シンガポールもかつてイギリスの植民地であり、華僑であり、土地の大きさや高層ビルが立ち並ぶ街並みなど、香港と比べるとかなり類似しています。




こういう気づきもまた、海外旅行の醍醐味です。




おわりに


いかがでしたか?

その国の特徴が分かると、海外旅行の際にも活用できます。




例えば、香港で消費税がかからないことを知っていることで、ショッピングの際にもメリットを考えながら無駄のない買い物ができます。

また、香港ではレートの変動が少なくほぼ一定のため、換金の際に見通しを立てやすいのもポイント。




このように、国の文化・特徴を知ったり、国際教養を身につけておくと海外旅行の質がぐんと上がります。

あなたもWorld Beauty Collegeで国際教養を身につけませんか?

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